僕は食に対するこだわりが強いです。その中でもなるべく食品添加物の入っていないものを選ぶということが、かなり大きな位置を占めています。しかし、僕と食品添加物との関係は何とも変な形からのスタートでした。
10代の頃は食に対するこだわりは皆無で、美味しければ何でもよく、とにかくたくさん食べられることが第一でした。実際当時は今よりも30kgぐらい太っていましたし(ちなみに今の体重は65kgです)、ピーク時には大台に乗ったこともありました。この頃は完全に”質より量”でした。
しかし実は食品添加物自体には、この頃からすでに認識していました。というのも、僕は小さい頃から文字が大好きで、文字で書かれた箇所を見つけると思わず目で追ってしまう習性がありました。テレビ番組を見ていても、終了間際に流れるスタッフロールや提供スポンサーの部分に気が付くと目が行っていました(なので番組制作に関わったスタッフの名前を意味なく覚えてしまっていました)。
そして母親と一緒に買い物に行った時にも、棚に並べてある食品を手に取ると、すぐに裏面に目を向けて原材料の欄や栄養素の欄などをじっと見つめていました。特に原材料の欄にはたくさんの文字が書かれているので、少し興奮しながら見ていました。しかも前半部分は何が書かれているのかが大体わかるのに、後半部分は聞いたことのないカタカナ言葉がたくさん並んでいるので、ますますこれは何だろうと興味を惹かれていきました。しかしそれが食品添加物であるという認識はなく、ただ聞いたことのないカタカナ言葉がたくさん並んでいて面白い、ぐらいの感覚でした。
その認識が大きく変わったのは、僕が大学生の時でした。文字が大好きだった僕は、必然的に読書好きになり、その日も自宅近くの図書館に行って本を探していました。その頃はちょうど食に対するこだわりが出始めた時期であり、特に料理をすることに強い興味を持っていました。何か食に関する面白い本はないかなと棚を物色していると、ふと食品添加物の文字が目に入ってきました。何となく興味を惹かれてその本を手に取ってパラパラとページをめくってみると、そこには見覚えのあるカタカナ言葉が・・・はっ!?これは僕がかつて小学生ぐらいの時によく見ていた食品の原材料の欄に書かれていたカタカナ言葉だ!そこで初めてあの時に興味を惹かれていたカタカナ言葉が、食品添加物であることを知りました。
僕はすぐさまその本を借りて家に帰り、貪るようにその本を読みました。そこに書かれていたのは衝撃の数々・・・。ずっと不思議に思っていた「調味料(アミノ酸)」が、化学調味料という”ニセモノ”の味であるということ!良い香りだなと思っていたものが、「香料」を使った”ニセモノ”の香りであるということ!!何となくカッコいいと思っていた「何色何号」系が、合成着色料という石油などから作られたものであるということ!!!などなど・・・。僕はここで一気に食品添加物への知識欲が爆発し、そこから立て続けにありとあらゆる食品添加物の本を読み漁りました。そして食品添加物についてどんどん詳しくなっていくにつれ、それと比例するように食に対するこだわりもどんどん増していき、料理を作ることに目覚め始めていたことも手伝って、次第に食品添加物のあまり入っていないものを・・・と思うようになっていきました。
今では食品を買う際には必ず原材料の欄をチェックし、価格とのバランスも考えながらなるべく食品添加物の入っていないものを選ぶようにしています。その中でも特に僕が重要視しているのが、”ホンモノ”の味であるかどうか、です。どうせ食べるなら”ホンモノ”の味がするものを・・・だから、「調味料(アミノ酸)」・「たん白加水分解物」・「酵母エキス」(後ろ二つは厳密にいうと食品添加物ではありませんが、”ニセモノ”の味という点では同じです)・「甘味料」系・「酸味料」(なぜ酸味料の方は一緒くた?)、そして味に影響する「香料」・食感に影響する「増粘剤」などの”ニセモノ”が入っている食品は、特になるべく選ばないようにしています。
そして定期的に僕は、そういった食品がたくさん置かれている高品質スーパーや自然食品店に出向いています。遠方でそういうお店を見つけると思わず入ってしまいます。先日も企業説明会に行った帰りに自然食品店を見つけ、そこで無添加の柿ピーを購入しました(味はいまひとつでしたが・・・)。
僕はこれからも、なるべく食品添加物の入っていないものを選ぶようにしたいと思っています。そして食品添加物をたくさん使って商品を作っているメーカーが”天下”を取っている中、食品添加物をなるべく使わずに商品を作っているメーカーが、いつか”天下”を取れるよう応援していきたいとも思っています。