ときどきお問い合わせをいただきますが、テルペンインクの製品化予定は現在のところありません。ご了承ください。
植物成分が溶け込んだ「テルペンインク」新登場
2021年11月10日〜13日開催の「メッセナゴヤ2021」にて、新開発の「テルペンインク」を発表いたします。
テルペンインクは、植物成分が溶け込んだ印刷用インクです。植物が作り出す、天然の消臭・抗菌・防虫効果が長期間持続します。
スクリーン印刷に対応する素材であれば、ほとんどのものに印刷可能です。例えば、綿、不織布、プラスチック、木材、シリコン、金属など。印刷インクですから、大量生産が可能です。
「テルペンインク」開発の経緯
植物成分をコーティングする技術の誕生
長年、植物の研究開発をおこなってきた私たちは、2014年に「驚きの消臭効果が持続する これ!いいかも」を発表しました。布、和紙、ポリエステル、不織布、ウレタン、木材、シリコンなど、さまざまな素材に植物成分(テルペン、フィトンチッドと呼ばれる成分)をコーティングする技術です。
強烈なアンモニア臭を十数秒で分解する、非常に強力な消臭能力があり、大きな反響をいただきました。しかし、素材や商品を弊社に持ち込んでいただかないと加工ができないため、大量生産が難しいという課題がありました。そのため、「もっと使いやすく、大量生産ができる方法はないだろうか?」と考え、印刷用インクにたどり着きました。
「植物性コーティング剤」から「印刷用インク」へ
まず、植物成分をインクに溶け込ませる技術を確立しました。あとは印刷する素材に合わせてインクを調合をすれば完成なのですが、業務用に使われるスクリーン印刷機を持っていないため、テストができません。開発は一時保留となりました。
ある時、お客様から印刷関連会社の方をご紹介いただきました。テルペンインクの話をしたところ、全面的にご協力いただけることとなり、開発を再開しました。消臭インク、抗菌インク、防虫インクなど、調合によってインクの性質が変化するため、開発は困難を極めました。
試行錯誤を繰り返し、2021年、ついに「テルペンインク」が完成しました。2014年から実に7年の歳月が経っていました。
「テルペンインク」の特徴と使用例
消臭インク
消臭効果が持続するように調合したインク。
- 新幹線や電車、飛行機などのシートカバー、頭部カバー
- バスやタクシーのシートカバー、マット
- 公共施設の椅子の座面、ソファーカバーなど
抗菌インク
抗菌効果が持続するように調合したインク。
- スマホケースやスマホカバー(プラスチック、ウレタン、シリコン製など)
- 電車のつり革、介護施設の手すりなど(直接人が触れる部分に最適)
- 家庭やオフィスのカーテン、ラグ、マットなど
防虫インク
防虫効果が持続するように調合したインク。
- 米袋、米びつに直接印刷(コクゾウムシやメイガの防虫)
- 布や紙に印刷 →お米などの防虫シートに
- 家の壁紙に印刷 →虫が入りづらい空間に
- フロアマットに印刷 →ダニが近づきにくいマットでお子様もペットも安心
印刷イメージ
「不織布」印刷サンプル
右の画像は、テルペンインクを不織布に印刷したものです。ここでは分かりやすいように青のインクを使っていますが、実際には印刷部分が目立たない、透明に近いインクもございます。
このサンプルでは、青い部分に消臭効果があります。
「フェルト」印刷サンプル
こちらは水玉のロゴをフェルト生地に印刷したものです。このようにロゴやイラストなど、オリジナルのデザインを印刷することができます。(スクリーン印刷となりますので、版代がかかります)
このように、お好きなデザインに消臭・抗菌・防虫効果を持たせることができます。
「木材」印刷サンプル
こちらはヒノキ材のトレイに印刷したものです。合成のように見えるかもしれませんが、実際に印刷してあります。他にも、金属、アクリル、プラスチックなど、さまざまな素材に印刷ができます。
このように、さまざまな素材に消臭・抗菌・防虫効果を持たせることができます。