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③フィトンチッドってなんだろう? 〜植物が生み出した知恵の結晶〜

「フィトンチッド」ってなんだろう?

さて、今回はあらためて「フィトンチッド」について説明します。フィトンチッドは、一言で言えば「森の香り」です。森に入ると草木の香りがしますが、あの香りがまさにフィトンチッドそのものです。花屋さんの前を通り過ぎるとふんわりと漂う香り、木造住宅の香り、畳の香り……私たちは、日常的にフィトンチッドに触れているのです。

森林浴とは

「森林浴」という言葉をご存知ですか? 森林浴は、森の中を歩くことで、ストレスをやわらげて、身も心もリフレッシュできます。山や森に入ると、空気がきれいで、植物の香りに癒されますが、それは森の中の空気にはたくさんのフィトンチッドが漂っているからなのです。

フィトンチッドとは

森林浴効果をもたらす森の香りの正体が「フィトンチッド」です。フィトンチッドは、さまざまな植物(とくに樹木に多い)が自ら作り出している揮発性物質です。**「揮発性」**とは、常温でも液体が気体になる性質のことです。フィトンチッドの主成分は、テルペン類と呼ばれる有機化合物です。植物が作り出したテルペン類を人間が浴びることを「森林浴」と呼ぶわけですね。

日光浴と森林浴

昨今は日焼けや老化の原因になるからと、日光浴を避ける人が増えていますが、日焼けがしない程度に日光を浴びることは大切です。人は太陽の光を浴びるだけで、活動的になり、免疫力が向上し、元気になります。毎日暗い場所で生活していると、憂鬱になってしまいます。

森林浴を30分以上おこなうと、数週間〜1ヶ月くらい免疫力が向上し、自律神経が安定するという報告があります。都会に住んでいる人、足腰が弱い人は、日常的に森の中を歩くことが難しいと思いますが、月に1回、自然の中でフィトンチッドを浴びるだけでも十分に健康効果があるようです。

植物がフィトンチッドを作る理由

なぜ植物はフィトンチッドを作るのでしょうか? もちろん理由があります。樹木が「光合成」を行うことはよく知られています。光合成は、太陽の光エネルギーを利用して、炭酸ガスと水から炭水化物を作り、酸素を放出します。さらに樹木は副次的にフィトンチッドなどの成分を作り出します。

フィトンチッドには、植物自身を守るさまざまな働きがあります。

フィトンチッドの主な働き

  • 成長阻害作用(他の植物の成長をさまたげる)
  • 摂食阻害作用(昆虫や動物に葉や幹を食べられないようにする)
  • 誘引作用(植物が好きな昆虫や微生物を引き寄せる)
  • 忌避作用(植物が嫌いな昆虫や微生物を遠ざける)
  • 殺虫作用(植物が嫌いな昆虫を殺す)
  • 殺菌作用(病害菌に感染しないように、植物が嫌いな菌を殺す)
  • 情報伝達(香りを空気中に飛ばし、他の植物と連絡をしていることが分かっています。テレパシー作用とでも言いましょうか)

フィトンチッドは、植物の健康を保ち、外敵から身を守るための「薬」と言えるでしょう。

フィトンチッドは、最先端の通信手段?

近年は植物同士がコミュニケーションを取っていることが分かっています。例えば森の入り口で病気が発生すると、病気になった植物は直ちに「危険信号」を空気中に飛ばします。そうすることで、他の植物は事前にワクチンのようなものを作り出すことができ、森全体が病気になることを防ぐわけです。フィトンチッドは、植物が連絡を取り合うための「通信手段」でもあるのですね。

私たちは、自然を破壊して電波塔をあちこちに立て、これが最先端だと信じて携帯電話を利用しています。しかし、自然界と共存ができていない時点で、最先端とは呼べません。日本の自然を破壊して作られた太陽光パネルメガソーラーなどは、実にひどいものです。

植物はとっくの昔から、一切の環境破壊を行わない通信手段を確立しているのです。まったくもって感服します。

フィトンチッドは、知恵の結晶

このように、植物はさまざまな作用をもたらすフィトンチッドを作り出します。とくに樹木が作るフィトンチッドは強力で、杉(スギ)、檜(ヒノキ)、翌桧(アスナロ)、檜葉(ヒバ)、樅(モミ)のフィトンチッドはさまざまな有用な効果があります。

とくに杉は日本の植物の中でもっとも長寿で、「千年杉」と名付けられた杉は全国各地に存在します。長寿の植物には神が宿るということで、神社の御神木として祀られていたり、縁起が良いということで、自治体やお寺で大事に保存されていたりしますね。

人も植物も、長生きするためには、健康管理が必須です。植物は、気候変動や病原菌の流行にも素早く対処し、常に薬を作り出す準備をしています。足を持たないからこそ、自らの体内で薬を作り出す知恵と力が備わったわけですね。

フィトンチッドは、人類の大先輩である植物が、何億年という途方もない歳月をかけて生み出した「知恵の結晶」だと言えます。

まとめ

フィトンチッドについて、少しは理解できましたか?

まとめると、「植物が作り出す揮発性物質を浴びることが森林浴。植物の香りを嗅ぎ、全身でフィトンチッドを浴びることで、人間は健康になる。フィトンチッドは、植物が自らを守るために作り出した知恵の結晶」と覚えてください。

次回からは、さらに深く掘り下げていきます。

参考:「フィトンチッド普及センター」資料(監修:谷田貝光克先生)