岐阜の郷土料理「いかだばえ」と「鮎の塩焼き」

岐阜の郷土料理「いかだばえ」とは?

私は岐阜県民ですが、「いかだばえ」という郷土料理を知りませんでした。本日、たまたまお客様からいただいて、その名を知りました。「いかだばえ」とは、小魚の甘露煮のこと。

名前の由来についても調べてみました。かつて長良川中流域では、いかだ状に組んで係留されている木材の下に、白ハエ(オイカワ)がよく群れをなしていました。この白ハエを佃煮にしたものが「いかだばえ」だそうです。

名前の由来からも分かる通り、いかだばえは長良川流域の郷土料理なのですね。

「岐阜の名物」を尋ねられると困る

他県の人から「岐阜の名物は何?」と聞かれると、私はいつも悩んでしまいます。観光地やおすすめスポットはたくさんありますが、食べ物となると、人様に勧められるものが極端に少なくなるのです。

私はいつも「飛騨牛は有名やけどなぁ……」と返答するのですが、他に思いつく名物がなくて、言葉に詰まってしまうのです。最近は「飛騨牛にぎり寿司」が飛騨高山の名物になっていますが、うまいことやりましたね。昔はなかったと記憶していますが、肉巻きおにぎりブームの時(そんなのあったかな?)に作られたのかもしれません。

他にも「朴葉寿司」はおいしいですが、もともとは保存食の意味合いが強いでしょうから、格別においしいというわけではないですね。「漬物ステーキ」は……ただの家庭料理なので、名物とされているのは恥ずかしいです。

私は東京に長いこと住んでいましたので、いざ岐阜に戻り、岐阜の名物はなんだろうと考えると、他県の人に勧められる料理はとても少ないことに気づきました。地元だと「蜂屋柿」も有名ですが、高級すぎて、地元で食べる人は少ないでしょう。

「鮎の塩焼き」は絶品

そんな中、時期は限られますが、「鮎の塩焼き」は岐阜の名物としておすすめできます。水がきれいな岐阜県が誇る名物料理だと思います。岐阜県民は「近所の人から釣った鮎をもらう」ことがあります。冷凍しておけば数ヶ月は持ちますが、独特の臭みがあるため、好き嫌いは若干あるでしょう。魚焼きグリルでも焼けますが、川魚はやっぱり炭火焼きがおすすめです。独特の臭みと水分が抜け、旨みが凝縮されるからです。

私は2022年にキャンプを始めたのですが、すっかり炭火焼きの魅力にハマってしまいました。キャンプや庭で、炭火焼きグリルの定番「ユニセラ」を使って炭火焼きを楽しんでいます。昨年、いただいた鮎に天然の塩をたっぷり振り、炭火焼きでじっくり焼いてみました。これがおいしいったらありゃしない。「おいしい」「おいしい」と連呼しながら、涙がにじんでいたことを覚えています。

鮎の塩焼きはどこで食べる?

旅行や観光で鮎の塩焼きを食べるなら、料亭や旅館に行くのが一般的ですが、少々敷居が高いかもしれません。そんな時におすすめなのが、「道の駅」での鮎の塩焼きです。私が知っているのは、遠方から来る人も多い「道の駅 古今伝授の里やまと」です。シーズンになると、鮎の塩焼きが食べられますよ。他の道の駅や商業施設でも食べられると思うので、探してみてくださいね。

岐阜の伝統を守り続けたい

最初に紹介した「いかだばえ」は、今ではあまり作られていないようです。ただでさえ食べ物の名物が少ない岐阜県ですから、名物が減っていくのは悲しいことです。私は岐阜県民として、伝統文化や郷土料理が途絶えないよう、文献や歴史を調べて、岐阜県の情報を発信し続けていきたいと思います。