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⑤「ハーブ」「スパイス」「漢方薬」もフィトンチッド 〜フィトンチッドの定義を知ろう〜

スパイス、ハーブ、漢方薬はフィトンチッドなのか

フィトンチッドは「森の香り」と説明しましたが、前回の記事では、ワサビやショウガが登場しました。ワサビもフィトンチッドなの? 混乱されている方がいるかもしれません。

コショウや七味唐辛子は「香辛料」「スパイス」と呼ばれます。ローズマリー、セージ、オレガノ、タイムなどの「ハーブ」も近年は一般的になりましたね。それから植物の根っこなどを煎じて飲む「漢方薬」は、風邪を治すために有効な手段の一つです。

一言に植物と言っても、いろんな呼び方があります。スパイス、ハーブ、漢方薬はフィトンチッドの一種と呼んでいいのでしょうか? 今回はフィトンチッドの定義についてお話しします。

まずは「木」と「草」の違いを覚えよう

当然ですが、木も草も植物です。植物とは、一カ所に固定して生きていく生物です。木と草の違いは、「二次肥大成長をするかどうか」です。

「木」の特徴

木は、毎年成長して大きくなります。年の数だけ年輪が形成されます。木を切り倒して、切り株になると年輪がよく分かりますね。樹木の中でも杉は長寿で、屋久島の「屋久杉」は、樹齢3000年以上とも言われています。

「草」の特徴

草は、1〜2年で地上部分が枯れます。一定以上の大きさには成長しません。高さ10mの木はいくらでもありますが、高さ10mの草は見たことがないですよね。「竹」は判断が難しいと思いますが、木と分類されています。

フィトンチッドの本来の意味は「植物」が「殺す」力のこと

フィトンチッドの本来の意味は、旧ソ連のトーキン博士が「植物を傷つけると、微生物などを瞬時に殺す力を持っている現象」を発見したことによります。

ワサビやショウガなどは、高い抗菌作用・殺菌作用を持っていますから、本来の意味としては、フィトンチッドに含まれることになります。

木の香りも、そうでないものも、フィトンチッド?

フィトンチッド研究の第一人者である谷田貝光克先生は、「フィトンチッドは、樹木が作り出して発散する揮発性の物質で、主成分はテルペン類」と説明されています。

これは、「木の香り」と説明した方が分かりやすいからという理由があるようで、実際には香りのしない物質もたくさんあります。

テルペン類にも種類があり、「モノテルペン」や「セスキテルペン」は揮発性で、香りがあります。(揮発性とは、常温で液体が気体になること)

一方、「ジテルペン」「セスタテルペン」「トリテルペン」は不揮発性です。昨今では、このような不揮発性の成分もフィトンチッドと呼ばれ、薬理作用をはじめさまざまな働きを持っていることが知られています。

揮発性の物質も、不揮発性の物質もフィトンチッドということは、広義では「植物に含まれるあらゆる物質で、他の生物の生活や行動に何らかの影響を与えるものをフィトンチッドと呼ぶ」と定義できます。

あまり馴染みのない言葉ですが、このように他の生物に影響を与えるものを「生物活性物質」と呼びます。また、フィトンチッドのうち揮発性のものを「ボラクタンス」と呼ぶこともあります。

ハーブもスパイスも漢方薬もフィトンチッド

他の生物に何らかの影響を与える物質は、何でもかんでもフィトンチッドだということが分かりました。ということは、もちろんハーブも漢方薬もフィトンチッドの仲間です。

ハーブは「香草」や「薬草」のことです。ハーブを乾燥させると「スパイス」と呼ばれます。スパイスは植物の種子や実を乾燥させることが多いようです。

漢方薬は、中国伝来の医術で用いられた薬のこと。樹木、草の根、茎、樹皮が原料ですが、これらも全てフィトンチッドです。日本では昔からオオバコ、ヨモギ、クマザサ、ゲンノショウコ、セリ、タンポポ、ドクダミなどは、薬草としてよく知られています。道端に生えている「雑草」と呼ばれている植物は、実は薬草であり、さまざまな有用な効果を持っているのです。

風邪を引くと「葛根湯」「麻黄湯」を処方された経験があると思います。葛根は「葛粉」でお馴染みクズの根を乾燥させたもので、麻黄は中国に自生する植物で、地上茎(ちじょうけい)を乾燥させたものです。

まとめ

今回は、フィトンチッドの定義についてお伝えしました。だいぶ頭がスッキリしたのではないでしょうか? 次回は、薬になる木を掘り下げようと思います。

参考:「フィトンチッド普及センター」資料(監修:谷田貝光克先生)