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⑧フィトンチッドの抗菌作用(正しい感染対策とは?)

今回は、フィトンチッドの抗菌作用について詳しくお伝えします。

日本人は昔から清潔だった

コロナ以降、過度な感染対策が問題になっています。毎日のアルコール除菌は皮膚の常在菌を弱らせますし、一年中、朝から晩までマスクを着用することは、コミュニケーション障害をもたらすことが分かってきています。

日本人はもともと清潔な民族です。湿気が多いからカビやすく、病原菌が増えやすくなります。だから、昔から日本人は頻繁に掃除をしていました。ジメジメしていると体の汗を流したくなりますから、手や顔を洗ったり、お風呂に入る文化が根付いたのかもしれません。

日本の清潔な文化

  • お風呂で長湯につかる
    血流が良くなり免疫力向上するだけでなく、大抵の汚れや雑菌は水と共に流れます。
  • 掃除を頻繁におこなう
    とくに梅雨から夏場にかけては、カビやゴキブリ対策で掃除を徹底します。また、ほとんどの学生は毎日教室を掃除しています。
  • 靴を頻繁に履き替える(土足厳禁)
    家の中ではスリッパ、外に出る時は靴に履き替えます。トイレに行けば必ずスリッパに履き替えます。学校に行ったら「上履き」に履き替えます。欧米の多くの家庭では、今でも靴のまま室内を移動することが多いようです。
  • 手洗い、うがいが習慣になっている
    ちょっと外に出て帰ってきても、無意識に手を洗います
  • 「取り皿」「取り箸」を使う
    多人数で食事をする時は、一人ひとりに取り皿が用意されています。料理には取り箸を使います。口につけた箸を共有しないことは、菌を身近に感じている証拠かもしれませんね。
  • 衣類は毎日着替える
  • トイレを清潔に保つ(ウォシュレットが一般化)
    日本のトイレは世界一綺麗だという話があります。公衆トイレは頻繁に掃除がなされ、極端に汚れていることは滅多にありません。発展途上国では、清潔なトイレがないために病気になり感染が広がるケースが多いようです。日本人は、トイレを清潔に保つことで、さまざまな病気から守っているわけですね。

このように、世界的にみても、一般市民がこれだけ衛生面に気をつけている国は珍しいのではないでしょうか。

フィトンチッドの抗菌作用

「除菌」にアルコールは不要

アイ・ジャパンの植物性除菌剤は、アルコール等を一切使いません。私たちは自然界に学びながら商品開発をおこなっていますから、「アルコールがなくても除菌はできる」ことを知っているからです。スギやヒノキなどから植物エキスを抽出し(フィトンチッド成分を取り出し)、それらを水で薄めるだけで、天然の除菌スプレーになります。

考えてみてください。世界中どこを探しても、アルコール度数70%超の刺激物を頻繁にスプレーする生き物は、人間以外に存在しません。赤ちゃんの顔にアルコール除菌をしたら、虐待だと思われかねません。そんな危険なものを毎日皮膚に直接スプレーする……不自然だと思いませんか? つまり、アルコール除菌が不自然だと思えないのは、現代人が自然から離れ、自然な考え方を忘れてしまったからなのでしょう。

2023年7月現在でも、スーパーや施設の出入り口にはアルコール除菌スプレーが設置してありますが、その行為にはほぼ意味がないことを伝えておきます。こんなにもアルコール消毒が身近になった理由は、「厚生労働省が基準を決めたから」でしかありません。親や先生から「アルコール消毒しなさい」と口酸っぱく言われた子供たちが多いと思いますが、可哀想でなりません。親や先生は、子供たちを守るために、どうか自然界の視点で物事の善し悪しを判断してみてください。

子供やお年寄りには、ノンアルコール除菌を

以前、近所の子供たちの前で植物についての講演をしたことがあります。ヒノキのスプレーをプレゼントして、「アルコール除菌をしなくても、身近な植物から、除菌スプレーは作れるんだよ」と伝えました。

その後、一人の子供から「私はアルコール除菌が苦手で困っていました。植物で除菌ができると知って嬉しかったです」と感想をもらいました。年配の方は、乾燥肌になりますから、冬場にアルコール除菌をするとあかぎれの原因にもなります。そうなると、傷口から菌が繁殖しますから、アルコールで除菌をしていたつもりが、逆に雑菌を繁殖させる結果になってしまいます。

アルコールを皮膚に吹き付けると、数秒だけ雑菌がいなくなると言われます。10秒も経てば、また空気中の菌やカビが付着するでしょう。注射を打つ際に、皮膚にアルコールを塗るのは理に適っている気がしますが、日常的に手にアルコールを吹き付ける行為は、ただ皮膚を痛めるだけなので推奨しません。

殺菌、減菌、抗菌、除菌……どう違う?

いずれも菌に対して抵抗力があるという点では同義語ですが、どれも微妙に異なります。

「殺菌」「減菌」はもともと医療現場での言葉で、医学用語に由来しています。殺菌剤、滅菌具というように使われます。医療に用いられるものは薬機法(薬事法)の守備範囲です。薬機法は、公衆衛生の向上のために、薬局、医薬品、医療具などの基準、検定、取扱を規定する法律です。つまり、菌に対して有効性があるものでも、薬機法の規定になければ、殺菌や滅菌という表現は不適当な場合があります。

そのため、「抗菌」「除菌」と言葉が使われるようになったようです。アイ・ジャパンの家庭用商品は「除菌スプレー」としていますが、実際には殺菌効果があります。しかし、一部の菌は殺菌しないため、薬機法では殺菌とは言えないかもしれません。

この連載で何度もお伝えしているように、植物がフィトンチッド成分により殺菌することは当然なのですが、日本の法律では「殺菌」とは言えない。それだけの話です。

「菌」の種類を覚えよう

微生物の一種が「菌」です。バイ菌、雑菌、病原菌、悪玉菌など、ネガティブなイメージが強いからか、悪者のイメージが強いようですね。アンパンマンでも、バイキンマンは悪役です。

微生物の働きはとても重要です。微生物が有機物をせっせと分解することで、植物に貴重な栄養分を提供したり、他の生物が消化できないゴミ(有機物)を掃除してくれるからです。微生物は食物連鎖を支えているのです。

  • 微生物
    • バクテリア(細菌)
      • 病原菌……ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌など
      • 非病原菌……乳酸菌、納豆菌など
    • カビ(真菌)
      • 病原菌……カンジダ酵母、黒麹カビ
      • 非病原菌……青カビ、食用キノコなど

微生物を大別すると、「バクテリア(細菌)」と「カビ(真菌)」の2種類になります。バクテリアでもカビでもない微生物に「放射状菌(放線菌)」と呼ばれるものがあり、ストレプトマイシンをはじめとする抗生物質を作り出すことが知られています。

細菌には、乳酸菌や納豆菌など、私たちが口にする非病原菌もあります。カビにはペニシリンを作る青カビ、食用キノコ、酒に使う酵母など有用なものがあります。

したがって、私たちが気をつけなければいけない菌は、病原性を持った微生物です。有名なところでは、化膿を起こす「ブドウ球菌」、喉の炎症を引き起こす「緑膿菌」、病原性を持ったものが食中毒を起こす「大腸菌」が挙げられます。

抗菌方法は「無機」と「有機」の2種類

抗菌には「無機系抗菌剤」と「有機系抗菌剤」があります。無機系は、銀や銅などの金属材料を使います。コストが安く、組成・成分が安定しているのが特徴です。

有機系は、有機化合物には塩素やヨードの化合物、フェノール、アルコール、ホルマリン、4級アンモニウムなどの化学合成品が使われますが、ここではフィトンチッドなどの天然有機物を紹介します。

「有機系抗菌剤(フィトンチッドなど天然有機物)」の特徴

  • 樹木の葉や幹が原料のため、日本の豊富な森林資源を活用できる
  • 大量生産が難しく、コストが高くなりがち
  • 蘇生・成分が不安定(気象条件に左右される)
  • 無機系と比較しても、抗菌作用や抗ウイルス作用が高い(浮遊菌にも有効)

このように、一見するとメリットが少ないように見えます。しかし、化学合成品と比べて、フィトンチッドなど天然有機物のほうが副作用や残留毒性が少ないのではないかという指摘もあります。フィトンチッドにはテルペン類やアミノ酸など、さまざまな成分が含まれていますから、消臭スプレー、除菌スプレー、アロマスプレーなどを植物系の商品に切り替えることで、森林浴効果などの相乗効果が期待できます。ノンアルコールの植物エキス(蒸留水)は、赤ちゃんやペットにも安心して使えますし、実はケミカルなものよりも気軽に使える利点があります。

フィトンチッド成分を活用した抗菌剤(除菌スプレーなど)は、ファブリーズなどと比べると割高です。しかし、消費者に「間伐材を活用して、日本の森を守ろう」という意識が芽生え、フィトンチッド系の商品が売れるようになれば、必然的に価格は下がります。私たちも、本当はもう少し安く販売したいのですが、手作業であることと、販路がないことから、安くできないのが現状です。

近年の激しい物価高騰により、無添加なものとそうでないものとの価格差が縮まってきました。この機会に、食品や調味料、雑貨などを無添加なものに切り替えてみませんか? 一人一人の日々の買い物が、世の中を変えます。

「銀」で抗菌するメカニズム

市販の消臭剤や除菌剤のパッケージに「銀」と書かれたものを見たことがないでしょうか? 銀というと、シルバーアクセサリーや、高級な食器のイメージがあると思います。抗菌のイメージはないと思いますが、なぜ銀で抗菌できるのでしょうか?

銀や銅は、「イオン」を溶出しやすい性質を持っています。「銀イオン」や「銅イオン」は、酸素と乖離して生じるため、不安定な状態です。

銀イオンは不安定だから、菌の酸素と結びつこうとして、菌の細胞膜に付着します。菌は分裂して増殖しますが、銀イオンなどが菌に付着されると分裂できなくなり、タンパク合成の阻害を起こして死滅すると考えれています(諸説あります)。これが無機系抗菌のメカニズムです。

「銀イオンの消臭や除菌グッズを扱っていたが、効果が弱く、いまいち反応が良くない。天然系で強力な消臭除菌剤を探しているのだが、何か良いものはないだろうか?」アイ・ジャパンには、そんな問い合わせをよくいただきます。

抗菌剤の安全性

抗菌剤の安全性をたしかめる方法は、「急性毒性試験」「変異原性試験」「皮膚一次刺激性試験」などがあります。人体への影響を調べます。

無機系抗菌剤が「金属アレルギー」の原因になっていないかにも配慮が必要です。私たちが扱っているフィトンチッド抗菌剤も同様です。

例えば、スギ花粉症の人が、スギエキス(杉の蒸留水)を化粧水に使ったり、杉茶を飲んだりしても、花粉症の症状は発生しません。メカニズムが全然違うからです。

稀に、木材に触れただけ、ヒノキ風呂に入っただけで体が赤くなったり痒くなるような「木材アレルギー」を持つ人がいます。そういう人は、樹木系の精油、化粧水、杉茶などは飲まない方が安全でしょう。「天然だから100%安全」とは言えません。天然だからこそ、正しく販売することが重要です。

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の問題

菌は「病原菌」と「非病原菌」に分類されていますが、これはあくまで人間の都合です。自然界では、病原菌も非病原菌も必要だから存在しています。病原菌を駆逐したら、この世から病気はなくなるのかというと、そうではありません。病原菌がいなくなったら、菌のバランスが悪くなります。どれだけ駆逐しても、必ず新たな病原菌が生まれてきます。ライバルの病原菌がいなければ、新たな病原菌はあっという間に増殖して、恐ろしい伝染病となる可能性もあるわけです。

「メチシリン」という抗生物質があります。元々は「ペニシリン」に体制を持つ菌に対抗するために開発された抗生物質ですが、現代ではメチシリンに耐性を持つ「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」がほとんどで、これが院内感染の原因になっています。だったら、どんどん新たな抗生物質を開発すれば良いのでは? という話になりますが、いずれ耐性菌が現れるので、イタチごっこなのです。

抗生物質を多用すると、副作用が問題です。副作用は、すぐに現れるものもありますが、数年後、数十年後に現れるものもあります。薬の副作用が原因で歩行困難になることもあるようです(私の友人は、ステロイドを数十年使い続けた結果、歩けなくなりました)。西洋医学の全てを否定するわけではありませんが、強い薬を、副作用の説明もなく、どんどん勧めてくる医者には注意しましょう。

フィトンチッドの抗菌作用が研究データで明らかに

植物精油はさまざまな抗菌作用を持っています。樹木では、ヒノキ、青森ヒバ、ユーカリなど。香草類ではラベンダー、カミツレ(カモミール)、セージ、シソ、ワサビ、カラシなどの抗菌作用がよく利用されています。

樹木の抗菌作用は凄まじく、さまざまな研究結果が報告されています。

ヒノキ材、カイヅカイブキ葉、コノデカシワ樹皮、ヒノキアスナロ(青森ヒバ)材のメタノール抽出物が、黄色ブドウ球菌、枯草菌に対して強い抗菌作用を持つ

サワラに含まれるピシフェリン酸が、黄色ブドウ球菌に対して強い抗菌作用を持つ

ネズコの精油が、黒麹カビに対して非常に強い生育阻害作用がある

ヒノキやヒノキアスナロの精油が、青カビに対して強い生育阻害作用がある

ハイビャクシン(ガーデニングでよく使われる植物)が、フザリウム(カビ)に対して強い生育阻害がある

青森ヒバから抽出されたヒノキチオールが、耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の生育を完全に阻止し、耐性菌もできなかった

植物が持つ抗菌作用は、以前の記事でもお伝えしたように、日本人の暮らしの中で活用されてきました。アイ・ジャパンでは、スギ、ヒノキなどの樹木の成分に注目し、フィトンチッドによる消臭、除菌、植物活性、防虫グッズ、化粧水などを開発してきました。中でも「空間除菌」を目的とした植物エキスは、噴霧器とセットで全国の病院や介護施設で採用され、MRSAなどの空気感染を防ぎ、患者のストレス緩和のために活躍しました。

コロナ以降、私たちにできること

体に良いものは「善玉菌」、病気の原因になるものは「悪玉菌」とされていますが、本来は食物連鎖を支えるために重要な菌です。近年は腸内細菌叢(腸内フローラ)が話題になっていますが、腸内に善玉菌が多すぎても良くないですし、悪玉菌がゼロではバランスが狂ってしまいます。悪玉菌は増えすぎなければ無害なのです。

すべての菌が丁度いいバランスで存在できるように社会生活を営むことことが、環境を守る第一歩なのではないかと考えます。だから、「腸内細菌の環境を守るには、腸内細菌のバランスが丁度良くなるような食生活を心がけること」が大事なのです。

コロナで過度な感染対策が問題になりましたが、病気やウイルス感染から身を守るたしかな方法は、食生活に気をつけ、生活雑貨はなるべく天然系の商品を選び、身の回りを清潔に保ち、殺菌しすぎないことです。綺麗好きな日本人は、これ以上「清潔」にする必要はないのです。

日本に伝わる先人の知恵と、日本を守ってきた植物の力を信じて、穏やかに日々を過ごしていきましょう。

参考資料

「フィトンチッド普及センター」資料(監修:谷田貝光克先生)

お風呂・入浴の健康効果…お風呂につかるだけで健康になる5つの作用(All About)

「清潔な国」日本に対する海外の反応:各国メディアが報じる新型コロナ感染者数から「見習うべき日本の姿」とは?(訪日ラボ)

日本人の免疫力を支えていたのは2000年以上食べ続けてきた”和食”だった(ディスカバー・ジャパン)