【初めての農業日記 #09】唐辛子の花とアザミウマ(自分の頭で考えることの大切さ)

水曜日の畑いじり、唐辛子の実がついた

水曜日は畑の日。ということで、昨日は午前中に畑作業をしていました。午後からは暑すぎて作業ができないだろうと思い、9時ごろから作業を始めたのですが……それでも暑かった! お陰で午後はクタクタで、夜まで体がだるかったです。今年も暑くなりそうなので、もっと早くから作業をしないといけないですね。

さて、花やハーブ以外にも、食材となる植物を植えています。唐辛子の苗を植えて約1ヶ月。唐辛子の実がついていました。

自分の手で植えた苗が成長し、実をつける。これほど嬉しいことはありません。「作物の実りを喜ぶ」という感覚は、日本人のDNAに刻まれているのだと思います。この体験は、若いうちからしてほしい。

唐辛子の花はうつむいている

唐辛子を見ていて、気になったことがあります。唐辛子には小さく可愛らしい白い花が咲きます。当初、花が下を向いているので、元気がないのだろうかと思っていましたが、もともとこういう咲き方なのでしょう。

花の中が見えないのは物足りないので、一眼レフカメラで撮影し、拡大してみました。

唐辛子の花とアザミウマ

肉眼ではゴミがついているようにしか見えなかったのですが、写真を拡大したところ、花の中に小さな虫が何匹かついていることが分かりました。

これを見た時、私は「なるほど、唐辛子の花は、下向きに咲いて、チョウやハチではなく、茎をつたって這い上がってくるような小さな虫に蜜をあげることで、受粉を手伝ってもらっているのだなあ」と思いました。虫の名前はこの時は分かりませんでした。

その後、調べてみると、どうやらこの虫は「アザミウマ」と言って、害虫とされていることが分かりました。このことから、「先に調べなくて良かったな」と思いました。「唐辛子にはアザミウマという害虫がつく」という情報を知っていたら、花の中にいる虫が「これがアザミウマか……害虫だから、対策しなければいけないかな」と考えていた気がするのです。

唐辛子にとってアザミウマは益虫かもしれない

そもそも「害虫」という言葉自体が、人間の都合によるもの。私の感覚では、唐辛子の花の中にいるアザミウマは居心地が良さそうで、唐辛子がアザミウマを暑い日差しから守っているように見えました。唐辛子の花は、このような小さな虫の住処(すみか)を与えて、その代わりに、受粉を手伝ってもらっているのだと思いました。

人間にとっては、「植物を弱らせる害虫」かもしれませんが、植物にとっては、「受粉を手伝ってくれる益虫」なのかもしれません。

さらに調べてみると、アザミウマやアブラムシ、その他いろいろな害虫により、唐辛子の葉が食われたり、斑点ができたりと、いろいろな症状が現れるようです。

もう一度、先ほどの写真を見てみましょう。

今のところ、葉っぱへの害はないように見えます。ということは、現時点では、「唐辛子とアザミウマはうまく共生している」と判断できそうです。

農家の人は「バカを言っちゃいけないよ。アザミウマは害虫だ。早く農薬を使いなさい」と言うかもしれませんが、私は農薬は使いません。もしも今後、葉っぱが食われ始めても、農薬以外の方法でアザミウマ対策を考えます。

農薬を使わなくても、自分の頭で考えて、試行錯誤を繰り返せば、どんな問題も解決できるに決まっているからです。

何でもかんでも先に調べてはいけない

アザミウマは、夜はどこで寝ているのでしょうか? アザミウマにも植物の好みがあるだろうから、好きな植物の蜜を吸うために、毎日歩き回っているのでしょうか。それとも、唐辛子の花を転々と移り住むのでしょうか。

アザミウマは花の中で眠る?
土の上? 葉っぱの裏?
そもそも虫は寝るのか?
夜行性? 嗅覚はある?

疑問が絶えません。このように、ネットやAIで調べても分からない情報は、いくらでもあるのです。

前述したように、事前に「唐辛子 育て方」で検索して、害虫に関する情報を得ていたら、この記事に書いたような内容は思いつかなかったかもしれません。何でもかんでも先に調べてはいけない訳が分かってもらえたのではないでしょうか。

「自分の頭」で考えよう

答えを知ることよりも、考えることが大事

現代はネットやAIの進歩により、誰もが簡単に情報を得られるようになりました。昔は「なぜだろう?」「なぜだろうね」と考え合う時間がありましたが、「なぜだろう?」「調べてみるわ」と話しながら答えが見つかるようになりました。これは「自分の頭で考える機会が少なくなっている」と言えるでしょう。

今の子どもたちは、YouTubeから得た「知識」がたくさんありますが、毎日動画を見ているだけでは、賢くはなりません。YouTubeで得た情報から、自分の頭で考えて、何かを作り、行動し、失敗し、工夫する。この過程が重要なのです。

アザミウマひとつとっても、「アザミウマは害虫!!」というフィルターがかかってしまうと、それ以上のことが何も考えられなくなってしまう。でも、実際に花に触れ、写真を撮影してみると、唐辛子の花とアザミウマは中が良さそうに見えたのです。それが正しいか間違っているかはどちらでも良くて、自分がどのように感じたのかが重要なのです。

唐辛子とアザミウマの関係性について、今後じっくり時間をかける予定はありませんが、研究し続けると、世紀の大発見があるかもしれない。たとえば、「アザミウマの体液と唐辛子の花の蜜が混ざると、きわめて強力な抗生物質が生成されることが分かった。それは後に、人類を病気から救うことになった」とかね。「そんなこと、あるわけないでしょ」と決めつけるのは良くありません。どんなことでも、「可能性がゼロということはない」のですから。

正解か不正解かは、それほど重要ではないのですが、間違ったことを言うと、昨今のSNS社会では、反射的に批判コメントをぶつけてくる「●●警察」が多いですね。これは義務教育による弊害でしょう。

私はこれからも、自分の頭で考え、自分の感覚で物事を判断していこうと思います。