【日本の無添加食品 #06】「ヒカリ濃厚ソース」(徳島県板野郡上板町・光食品)

日本の優良企業による無添加食品を紹介する連載、第6回は無添加ファンにはお馴染みの、光食品の「ヒカリ濃厚ソース」です。

添加物だらけの時代に、雲間から見えた希望のヒカリ

私の実家は自然食品・健康食品を扱っていたこともあり、幼少期から無添加の調味料を食べて育ちました。「ヒカリソース」は私の味覚を形成したひとつです。我が家ではソースといえば「ヒカリ ウスターソース」でした。これをキャベツにかけてよく食べていました。子供の味覚には少し刺激が強いソースでしたが、自然な味だったから食べられたのだと思います。

私は、キャベツを無性に食べたくなることがあります。キャベツの1/4くらいをみじん切りにして、ひたすらドレッシングやソースをかけて食べることがあるのですが、幼少期にヒカリウスターソースでキャベツを食べていた影響かもしれません。

1964年、合成添加物を一切使わない「ヒカリソース」が登場

光食品さんのサイトを見ると、このように書かれています。

1964年
合成添加物だらけの時代であったが、良い食品を作り社会に貢献することを社是とする我が社は、超特急新幹線ひかり号の開通にちなんで、合成添加物を一切使わない「超特級ヒカリソース」を発売。

光食品株式会社ウェブサイトより

なんと、60年前の1964年に誕生しています。1950〜1960年代は、高度経済成長期で、合成着色料・合成保存料などの食品添加物が大量に使われ始めた時期。戦前の日本は、サッカリンなどの食品添加物の規制が厳しかったらしいのですが、第二次世界大戦以後はアメリカの意向を聞かざるを得なくなり、合成食品添加物が広まったと考えられそうです。

テレビが一気に普及し始めた時期でもありますから、テレビCMの影響をもろに受けてきた世代(ベビーブーム世代、X世代)は、食品添加物への抵抗が少ないのかもしれませんね。

ヒカリ濃厚ソースの原材料は?

光食品さんの商品をすべて試したことはないのですが、おそらく全ての商品が「安心安全な原材料を使用している」のではないでしょうか? 昔から無添加にこだわり、長く愛され続けているのですから、それくらいのこだわりを持っておられると思います。

さて、恒例の原材料を見てみましょう。

  • 果実(有機たまねぎ、有機にんじん、有機みかん、有機トマト、有機にんにく、有機レモン)
  • 米酢(米(国産))
  • 糖類(砂糖、有機糖蜜)
  • 食塩
  • でん粉
  • 香辛料

以上です。うーん、素晴らしい! 有機、有機、有機。同じ無添加にこだわったメーカーとして、勇気がもらえます。一口に「有機」といっても良し悪しがあるでしょうが、光食品さんが選ぶ有機野菜は間違いないでしょう。消費者にそう思わせるくらい、ヒカリブランドには絶大なる信頼があるのですね。

そもそも「ソース」とは?

ウスターソース(ウースターソース)は、野菜や果実に、砂糖・酢・食塩・香辛料などを加えて作る調味料のこと。言ってみれば、野菜や果実そのものと言えますから、本来は100%野菜と果物のジュースと同じくらい高価なものと言えます。

安いソースを作るには、野菜以外の原料で「水増し」する必要がある

スーパーでソースの棚を見てみましょう。最近こそ値上がりしていますが、数年前までは、1本198円のソースは当たり前のように並んでいました。

ウスターソースは「しゃびしゃび」ですから、そこまで水増しする必要はなさそうです。しかし、「とんかつソース」「濃厚ソース」と呼ばれるものは「どろどろ」ですから、増粘剤などを添加しないと、原価が高くなってしまいますし、大量生産が難しいです。「ヒカリ濃厚ソース」は、濃厚タイプなのに無添加だからすごいのです。家庭で作る場合、かなり煮詰めないと、どろっとしたソースにはならないでしょう。

安い濃厚ソース、とんかつソースの原料を見てみましょう。一般的には、以下のような原材料が使われています。

  • 果糖ブドウ糖液糖
    果糖ブドウ糖液糖は、多くの加工食品に使用される甘味料です。過剰摂取による健康への影響が懸念されており、慎重な使用が推奨されています。おそらく、これを使うことでソースが「どろっ」として、日本人の多くが「うまい」と感じ、「コストを下げられるのではないでしょうか。メーカーにとっては一石三鳥の原料かもしれません。
  • タンパク加水分解物
    旨味を出すために使われますね。ソースに限らず、安い調味料によく使われています。
  • 増粘剤
    安い濃厚ソースやとんかつソースを「どろどろ」にするために、増粘剤が使われます。
  • 調味料(アミノ酸等)
    うま味調味料、グルタミン酸ナトリウムと呼ばれるものですね。果糖ブドウ糖液糖と同様に、非常に多くの食品に使われる調味料です。日本人の多くは、これを入れないとおいしいと感じられなくなっているのでは……と、心の底から心配しています。
  • カラメル色素
  • 酵母エキス

これらの原材料や添加物を使うと、大量生産が可能になり、安く製造できるわけですね。ただ、私はこのようなソースは食べたくありません。添加物たっぷりのソースを食べると、胃もたれしやすくなりますし、鼻の奥のあたりに、なんとも言えない不快感が現れるからです。

ソースはたまに使うくらいが良い。だからこそ、良質なソースを選ぼう

ヒカリソースは、「酢」にもこだわり

ソースを毎日使用するような食事は、不健康かもしれません。なぜなら、ソースを使う料理は、油をたっぷり使うものが多いからです。

  • コロッケ
  • 魚のフライ
  • 天ぷら
    「天ぷらにソース?」と思われるかもしれませんが、岐阜県はソース派が多いようです。中部以西はソース派の地域がわりとあります。
  • とんかつ、串カツ
  • 焼きそば
  • お好み焼き、たこ焼き

うーん、見るだけで胸焼けしそう。30代以下ならまだしも、40歳を過ぎたら、揚げ物・炒め物は毎日食べないようにしたいですね。揚げ物はおいしいですが、おいしいという理由だけで、体に悪いものを食べ続けるのは子供と変わりません。普段は摂生して、たまに揚げ物を食べるくらいがちょうど良いし、よりおいしく感じられるのです。

ソースをかけて、バクバク食べよう!

今回も長くなりましたが、揚げ物やお好み焼きを食べるときは、おいしいソースを選んでみてください。

健康についてあれこれ書いていますが、かといって、後ろめたさがあると、食べ物に失礼です。だから、たまに揚げ物やお好み焼きを食べるときは、お腹が一杯になるまで、バクバク食べるようにしています。苦しくなるほどです。

お好み焼きを食べるときは、ソースをたっぷりかけて、鰹節と刻んだ板のりを振りかけて、アクセントでマヨネーズをかけて、ひたすら食べます。我が家は白米か玄米食なので、揚げ物、お好み焼き、焼き肉などは珍しく、「お祭り」なのです。

「これ食べたら太っちゃう」とか、そういうことを考えてはいけません。「目の前の食材を、おいしく、ありがたくいただこう」という、食材に向き合おうとする姿勢が大事だと思うのですよ。それでは、また次回。

商品情報

品名濃厚ソース
名称ヒカリ濃厚ソース
原材料名果実(有機たまねぎ、有機にんじん、有機みかん、有機トマト、有機にんにく、有機レモン)、米酢(米(国産))、糖類(砂糖、有機糖蜜)、食塩、でん粉、香辛料
内容量360g
製造者光食品
公式サイトhttp://www.hikarishokuhin.co.jp
商品価格400円くらい
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