パンのカビとその後(埼玉県・佐々木さん)

添加物を身近に感じたのは、梅雨の時季でした。

その頃、手作りのパンを、週に一回、届けて貰い、美味しく頂いて居りました。まだ日にちがそんなに過ぎていないのに、食パンにカビが生えてしまいました。同じ頃に買った市販のパンにはカビがなくて、無知な私は、長持ちのする良い商品だと勘違いをしてしまいました。少し時間が経ってから、ちょっと待てよ、長持ちをするということは、日持ちするための添加物が、入っているのではないかと気付きました。早くカビが生えて食べられなくなったパンの方が、安心して口に入れられる信頼できる食べ物だったのです。

良心的な手作りのパンは、それからは早く食べるようにしています。勿論、カビが生えて、処分することのないように気を付けています。添加物を入れない心のこもった美味しいパンですから。

パンにカビが生えてから、添加物に関心を持つようになって、商品の原材料の表示をチェックして、購入するようになりました。よくわからない添加物の何と多いことでしょう。加工食品は、特に注意しなくてはいけません。消費期限の長いものは、気味がが悪くて、避けるようにしています。少し値段が高くても、見てくれが悪くても、野菜は無農薬のものを買っています。

化粧品も、毎日使うものですから、無添加にしようと、あれこれ調べて選び、かれこれ二十年の間、同じメーカーを使っています。基礎化粧品は、特に大切なので、たくさんの種類を使うのはやめて、自分に合ったシンプルなものを使っています。いろんな化粧品をベタベタつけても、肌には良くないし、長続きはしません。

外食する時は、食べているものの材料に、何か添加物が入っているのかわからなくて、不安になりますが、気にしていたら何も食べられないので、まあいいかと頂いています。

子育て中は、食べる物には気を使いましたが、老人二人の生活になってからは、楽をしたくて、少しくらい添加物が入っていても、手間のかからないものに手が伸びてしまっています。

私の子供の頃は、物が今ほど豊富ではなかったのですが、添加物が存在していたのか、ただ知らなかっただけなのかわかりませんが、人工的な物が入っているのは、今ほど多くはなかったはずです。質素でしたが、良き時代だったと懐かしく思い出しています。

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